あのねで始まる彼の話。



 

 

 

あのね、あのね。

僕…なんだか不安になっちゃったの。二人と…友達でいていいのかなって。
ううん、喧嘩したんじゃないよ。僕そんなに元気なかったかな?あ、お代わりの量…なるほど。

うーんとね…田楽豆腐屋さん、あったでしょ?おいしかったなぁ〜。焼きカマボコとか味噌水もとっても…あれ?あ、そうじゃなかった。
僕ね、二人の分の田楽豆腐買って来た時にね、「今度またみんなで食べに行こう」って言ったの。その時きり丸は「おう」って言ったの。

…でもね、後で乱太郎がこっそり「きり丸はお金がないから買い食いはできないんだよ…」って。
…僕、何も知らなかった。…思い付かなかったの。「お金がないから田楽豆腐が買えない」ってこと。乱太郎は優しいし…きっときり丸のことわかってると思う。でも僕…何も考えてなかった。

 

…あ、うん。そうだね。ありがとう。
…だけどね…何だかね…友達なのにね…何か…。

…うん。え?そうかな。そう…かな。
えへへ。…なんかお腹減ってきちゃったなぁ…

 

あ…二人が呼んでる…。え、何?夜食!?行く行く!!ねぇ、一緒に行こう?

 

 

待ってよー!らんたろー、きりまるー!

 

 

 

 

 


あとがき

天真爛漫な彼に、もし悩み事があるのなら。
39巻の田楽話を見て、少しだけ切なくなりました。
いつかの巻で彼だけ休みの予定が豪華で二人にひがまれてた時もなんかちょっとだけ悲しかったです。仕方ないとは思うけど…。
ちなみに聞き役は三治郎か伊助か喜三太の設定(多いな!)
彼は愛されてると思います。みんなに。