暇潰し。
「ねぇ、利吉さんはどうしてこんなによく僕の所に来てくれるんですか?」
学園内の一室。いつものように何をするでもなく、出されたお茶を飲んで目の前の事務員が饅頭を食べるのを眺めていたらいきなりこんなことを聞かれた。
…さて。難しい問題を出されたものだ。なんと答えてみるか。
言われてみれば、自分はいつも何か小松田に具体的な用があって来ているわけではないのだからこういった疑問を抱かれても……まあ、不思議ではない。
「…暇潰しだ」
「へえ。そうなんですか!」
予想通りというか…。すこしくらいがっかりしたような素振りをしてくれたって罰は当たらないぞ、と思う。
しかし、だからと言って内心で落胆しながら笑顔でいられるほど相手が器用な人物ではないのは嫌というほどわかっていた。
大体、フリーの売れっ子忍者に潰すような暇なんてない。
…それより。
なんで私のほうが落胆しなきゃならんのだ…。
気に入らない。
「よーし!利吉さんが楽しく暇を潰せるようにがんばるぞー!」
…おいおい。
言いたいことはそれだけか?「僕は利吉さんにとってそれだけの存在なんですか?」とかなんとか。
しかしその想像に、微妙な違和感があることも否めず。
「利吉さん、僕は利吉さんの暇潰しに協力します。利吉さんのためならなんでもしますよ!」
ふん…
気にいらない。
まったくもって気に入らない。
…だが。
「…その言葉、忘れるなよ」
後悔したって知らないぞ。
あとがき
利コマでした。何気ない言葉で利吉を振り回すコマ。基本スタンスですね。うちの利コマは糖度低いかなあ…。
あと、背景画像がなんだかコマっぽくて何気に気に入ってます。