七夕





久しぶりに忍術学園に来てみたら、門の前に妙なものが立て掛けてあった。
鮮やかな緑の笹と、色とりどりの短冊。


…そうか。今日は七夕だったか。
日々の仕事に紛れて、忘れかけていた行事だった。


どれどれ…?


「は組が100点取れますように 土井」

土井先生…大変だな。



「夫婦喧嘩が起きませんように 山田」

父上…。また家に帰ってこないつもりだ!



「小松田君ががもっとしっかりしてくれますように 吉野」

……………。

 

そういえば、彼の短冊はどれだろう。
彼なら何と書くだろうな。
「みんなが入門表にサインしてくれますように」とか、やっぱり「忍者になれますように」とかだろうか?


……あった。


「あ!利吉さん!こんにちはー入門表にサインお願いします!」
「あ、ああ…!」
「…どうかしました?利吉さん」





 

短冊には、こう書かれていた。


「もっと会えますように 小松田」 

 

 

 

 

 

 


あとがき

なんか気に入ってたんです、この話。
なので消したくなくてお礼から昇格させました。
織姫と彦星じゃないんだからもっと会いに来ればいいのにね(笑)
利吉は小松田の笑顔にちょっと罪悪感感じてるといいと思います。