注意 この話は「顔広し」の続きとなっております。まだ読まれていない方はそちらを先に読まれることをお勧めします。
よろしければ下へどうぞ。
Search me. Search out.
そんなこんなで、僕は実家に帰った。
実家では家族や親類、ご近所などが温かく僕を迎えてくれた。もちろん家族以外、僕が忍者の学校に行っていたことは秘密だったけど。
そんなみんなを見て、僕は決意も新たに就職活動を再開した。
そんなある日。僕はある城に向かっていた。もちろん就職活動のためだ。
その途中背中にぞっ、という何かを感じた。
───尾けられてるな。
かなり距離はとっているが、殺気が隠せていない。どうする?巻くべきか?いや、それより学園を卒業したばかりの僕を尾行して何の得があるんだろう。
まだ就職すらしていない自分を殺意を持って尾けるなんて─────
そこまで考えてピンときた。
さてどうしよう。うーんうーん。
と、迷っている間に向こうから来てしまった。
カカカッ カッ
「…と!」
飛んでくる手裏剣をとりあえずかわす。近くの木に身を隠しつつ相手に近づくと、黒装束の男が見えた。一人のようだ。
先程の手裏剣の腕前から見て大して強そうな相手ではないが油断は禁物だ。
「僕に何か用ですか?」
僕はその男を観察した。思った通り全く知らない顔だ。
男は多少狼狽した様子で言った。
「お、お前は…まさか…」
やっぱりどっかの誰かと間違えてるな…。
あのあれは変装でして僕は彼とは別人なんですよ、なんて言って信じてもらえるだろうかと思っているうちに男は驚くべき言葉を呟いた。
「確かに殺したはず…」
「っ!」
僕の行動は素早かった。一気に距離をつめ、武器を持った腕を封じ腹に一撃を食らわす。次いで背中に周り腕を捻り上げた。そして持っていた短刀を突きつける。
「どういう意味だ」
自分でも驚く程低い声が出た。
「ど…どういう意味って…いててっ」
「「僕」を殺したのか?」
「お…俺じゃない!…って覚えてないのかよ!?お前ら双子か何かか?…本人なら…成仏してくれよ…っててぇ!!」
「なら誰だ?」
「知らねぇよ!本当に知らねぇ!」
「…なら「僕」の名前は!?」
「あぁ!?なんだっけな…確か…」
「っ!」
「わあぁっ!」
一瞬の隙を突かれ、男を逃がしてしまった。近くに大きな街があったのが災いし、捜すのは困難だった。
「くっ…」
望んでもいないのに、頭の中で男の言葉が反芻される。
はちや さぶろう と。
あとがき
微妙にありがちな話かな?
いくらヘボでも忍者がこんなぺらぺら喋るわけないだろ!というツッコミはなしの方向でお願いします(汗)
ちゃんと話として続くのか、完結できるのか。今のとこ全くわかりません。それでもよければ応援していただけると嬉しいです。